ONE OF A KIND / BRUFORD


One of a Kind
One of a Kind

posted with amazlet at 16.01.08
Bill Bruford
Winterfold UK (2005-06-21)
売り上げランキング: 101,326

ビル・ブラッフォード(dr)がU.K.を脱退し、78年に結成したその名もベタなバンド「ブラッフォード」は、結果的には4枚のアルバムをリリースしただけで比較的短命に終わった。本作はデイブ・スチュアート(key)、ジェフ・バーリン(bs)、アラン・ホールズワース(gt)という豪華メンバーによる2枚目のアルバム。デイブ・スチュアート(元ハットフィールド&ザ・ノース)のハーモニー・センスが光る名作。

「Hell’s Bells」16分の19拍子(!)なのである。たしかに譜面にすると難しくなるが、実際はリフ自体が非常にキャッチーでポップなため、とても聴きやすい曲となっている。この曲でもデイブ・スチュアートのハーモニー・センスが秀逸。この人のポリシーは「陳腐なボイシングは絶対しない」ということである。たとえばジャズ・ピアニストが弾く常套的なボイシングはまずやらない。Cmaj7なんかの場合、ジャズ弾きは(C,E,G,B,D)という構成音のクローズ・ボイシングで弾く場合が多いと思うが、これをあえてGトライアド(onC)としたり、また(E,C,D,G)、(C,G,D,E,B)の様なオープンなボイシングを好んで使い、空間の広がりを表現している。ドミナント7thなどでも定番のF-B-E(7th-3rd-13th)はまず使わない。少々乱暴だが内声で必ずsus4や完全五度のボイシングが含まれるようにすると、この人のボイシングに近くなると思われる。

故小川文明氏が昔デイブのサインをもらった際は、色紙にはそのボイシングの楽譜も書かれていたとのこと。よほどその響きが好きなんだろうね、これはそのボイシング。

「Hell’s Bells」でも非常に凝ったボイシングが使用されている。コードネームをつけるのは簡単だが、必ず特定のボイシングをしないとこの曲は成り立たない。たとえばDb69(onF)というコード表記の場合、ボイシングは色々と考えられるが、この曲ではEbsus4(on F)という風に重ねないとこのサウンド感は出せない。和音で弾いているのはおそらくProphet5。

デイブ・スチュアートはジェフ・バーリンについて尋ねられた際「どんなにボクが緻密に計算して作った複雑な曲も、あのアメリカ人のベーシストときたら、一回楽譜を観ただけですらすら演奏しちゃんうんだ。まったくアメリカ人はこれだから嫌いだね・・」と冗談半分に語っていた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください